前項では、被災地の住民の助け合いを中心としたボランティア活動を取り上げました。ここでは、被災地の住民以外の人が、被災地に出向いて救援活動を行う「福祉救援ボランティア活動」について取り上げます。その活動には次のようなものがあります。
だれもが参加できる専門性を問わない活動
専門性を問わない災害後1ヶ月程度の活動
- 避難所の手伝い
(湯茶の提供、炊きだし、子どもの遊び相手、話し相手、物資の運搬、情報の張り出し、休憩所の設営、集会場所の設営など)
- 救援物資の仕分け、配送
- 安否確認訪問
- 引っ越しの手伝い、荷物運び、水汲み
- 部屋の後片付け、家具の移動、ゴミだし
- 障害のある方の送迎、生活情報の提供
- 高齢者などの買い物や通院の付き添い
- 営業している店舗や浴場、公共施設の情報提供
- 遊び場や遊具の設置、子どもの一時預り
専門性を問わない災害後2ヶ月〜6ヶ月の活動
- 引っ越しの手伝い、荷物運び、掃除、簡単な部屋の模様替え
- 安否確認訪問
- 障害がある方の通勤や通学の介助
- 高齢者などの買い物や通院の付き添い
- 避難所の手伝い(子どもの遊び相手、勉強相手、行事の手伝いなど)
- 趣味活動や娯楽の手伝い
- 集会場所の設営や簡単な行事の企画、実施
ある程度専門性を要求される活動
ある程度専門性を要求される活動
(災害直後から6ヶ月程度)
- 電気製品の取り付け、機械や自転車等の修理
- 建具の修繕や手すり、踏み台などの取り付け
- 屋根のシートかけ、生け垣や壁の補修、家屋の構造部材の補強
- 炊きだし、調理場の設営・衛生管理
- 高齢者の介護、障害者の介護、傷病人の世話、乳児の世話
- 手話通訳、点訳、ガイドヘルプ、入浴車の操作
- 心のケア、ソーシャルワーク、コンサート、演劇
- 理容、美容、マッサージ
- トラック等大型車の運転、マイクロバスの運転
- パソコン通信、インターネット等コンピューターの操作
- アマチュア無線
- 広報紙づくり、情報収集、経理
- 行政や諸団体との折衝、会議や交流会の運営
時間とともに変化する避難所などの生活ニーズ
避難生活1〜3日目
- 食料、飲み水が足りない。
- 衣類、日用生活品が足りない。
- オムツが足りない。
- メガネが必要。
- 入れ歯が必要。
- 汁物が欲しい。
- トイレが満杯。
- 知合いの安否を知りたい。
- 診察して欲しい。
- 情報が欲しい。
- 静かな所に居たい。
避難生活4〜7日目
- 野菜、果物が欲しい。
- 洗濯したい。
- お風呂に入りたい。
- 自宅から物を運びたい。
- 別の場所に移りたい。
- 亡くなった人を供養したい。
- 介護を手伝って欲しい。
- 通院したい。
- 買い物にでたい。
- 役所の手続がしたい。
避難生活〜2カ月
- 仮設住宅等へ引っ越したい。
- 集会場所が欲しい。
- 気分転換したい。
- プライバシーを守りたい。
- 家を修理したい。
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