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被災地の市町村などに被災者のために役立てて下さいと、多くの救援物資が送られますが、実は救援物資は第2の災害といわれるほど、被災地ではその取り扱いに多くの労力と時間が割かれ、本来優先すべき仕事が後回しになる事態を招く原因となるのです。
最も困るのは、衣類や生活用品、食料品、学用品などを一緒に詰めて送られてくる小包です。このような小包は、被災地に届いても、品物別に仕分け仕直さなければならず、手間がかかります。また、直接被災者に届けても、必要ないものは残ってしまい、いたずらにゴミを増やすことになります。お気持ちは有難いのですが、オムスビやゆで卵などを小包に入れて送った場合も交通網の混乱で物流が停滞している状況下では、善意の食料品も腐敗してしまうことになります。
役立てられなかった物資の多くは、処分されることになりますが、処分するまでの間の保管に関しても多額の費用(*6)がかかることを知っておいて下さい。
各都道府県などでは、阪神・淡路大震災の経験を踏まえて、災害時の救援物資を近隣都道府県で融通し合う協定を結ぶなど、行政としての対応が整備されてきています。
効果的な救援物資の提供方法は、「同じ品物をまとまった数量」で提供することです。例えば、ミネラルウオーター50箱、りんごジュース10箱、白米50袋など。箱の表には品名を目立つように書いておく必要があります。
どのような物資を提供すればよいかですが、地元の行政が県や被災地の自治体と協議して、提供を呼びかけている物資を提供するのが良い方法です。次に、被災地のボランティアグループなどに提供できる物資の品目と数量のリストを送り、必要とされるものの回答があった場合に送る方法があります。どちらの場合も、物資を確実に受け入れてもらえることを確かめた上で、提供するようにしましょう。
個人で救援物資を送るのは極力やめて、その分を義援金の募金に回して下さい。義援金は被災地の市場を活性化させ、経済活動の復興に役立つからです。義援金は、被災地の自治体や日本赤十字社などで構成する配分委員会でその使い道が決定され、被災者への義援金などに充てられます。
また、被災地の救援活動に当たるボランティアグループ・団体の活動費に充てられるボランティア活動支援募金も実施されるようになりました。阪神・淡路大震災の時は、全国社会福祉協議会が国の認可を得て募金と配分を実施しました。
*6 ちなみに平成5年の北海道南西沖地震による奥尻島の地震・津波災害の時には、5千トンを超える救援物資が送られ、そのうち1千2百トンの衣類などの物資が焼却されたり、埋め立てられました。その保管料は1億2千万円かかったといいます。(野田正彰「災害救援の文化を創る」岩波ブックレットNo.360、P47、1994年)
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