HOME > 福祉救援ボランティアマニュアル > 支援のタイミングや被災者の気持ち:支援活動のタイミングや活動・被災者という名前で一括してはならない・支援姿勢
ボランティアを始めるために
ボランティア募集・活動団体
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災害時の救援に参加するボランティアの動機は、「黙って、見ていられない」「ほおっておけない」「少しでも手を貸したい」などのシンプルな感情からです。そしてボランティアは、生活再建に向けて歩き出そうとする人々の傍らにあって、そういう人々と共にありたいと思い、共に復興の道を歩んでいるという実感を得ることにやりがいを感じているのです。
だれしもこのような気持ちで行動する訳ですが、時間の経過とともに被災者の求める支援は変化しますから、昨日までは役立った活動も明日からは必要のない活動になってしまうことがしばしばあります。
例えば、営業を再開する商店が出始めた時期に救援物資の無償のパンを配ることは、パン屋さんの復興を邪魔するばかりです。たとえそれが、悪気のない行動であっても被災した人々の自立を支援する活動ではなくなっているのです。また、避難所などで、ボランティアの炊き出しや物資の提供を長期継続することは、復興を目指す被災者の自尊心を傷つける行為にもなりかねません。
ボランティアに求められることは、自分たちの普通の暮らしに照して、被災者に不足している部分や困っている部分の全てをではなく、一部を補う支援者の姿勢です。もう必要のない活動だと判断したら、活動を終結する方向に導き、新たな支援の必要を感じたら、その時点からスタートを切ります。
災害の被災者といっても一口では言い表せない様々な人がいます。 親や子供、友人を失った人。自分自身や家族、親族が傷つき、療養が必要な人。家や家財道具などの財産を失った人。勤め先の商店や工場、会社を失った人。ライフラインや物流が途絶して日々の暮らしや通勤に困る人。復興に向けて意気盛んな人。明るい表情の人。悲しみにくれている人。冷静な人など様々な人々がいます。さらには、被害を受けた人の中でも財産に対する保険の補償がある人とない人。元々の蓄えにより自力復興できる人とできない人。近隣の親しい間柄であっても被害の大きい人と少ない人等々、感情的にも複雑です。
また、被害を受けた人が被災者という名のもとに一括され、哀れみの視線を送られることには多くの人が抵抗を覚えます。
このように複雑な思いが渦巻く被災地の多くの方々に共通していることは、人としての尊厳の守られる生活を再建したいとの願いです。
様々な感情が錯綜する中で、ボランティアは個々の人々の気持ちを汲んで活動をしなければならないのは当然ですが、被災者の心理的な側面を察知し、対応することは難しいことかもしれません。ですから、せめて被災者の気持ちは複雑で、時間とともに変化が激しいのだということを心得て、自分の行動や発言に見直す点はないかどうかを毎日振り返る心の整理が大切です。仮に間違ったことをしていたと気づいたら、その段階で改めれば良いのです。
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